【コルセット】

近代ヨーロッパにおいて、女性のスタイルの美しさはコルセットによって作られていました。
細く、くびれたウェストのラインを作るために女性たちはこぞってコルセットを求めていました。
現在では、コルセットはウェストを細く見せるだけでなく腰痛を和らげるために使われているのです。

腰痛のためのコルセット

腰のくびれを作り出すコルセットは、近代の女性ファッションが目的としたボディラインを実現する装身具として長く活躍してきました。しかし、ファッションの流行の移り変わりによって、コルセットは医療用装具としての用途で生き延びることになったのです。

装身具としての歴史

コルセットの原点は、13世紀頃のフランスで作られた「コルセ」という下着にあるといわれています。しかし、コルセットが本当の意味での女性の装身具となったのは、18世紀から19世紀頃のことです。この時期のファッションの流行は、「腰を細く見せる」ことにありました。
スカートの裾を膨らませて腰を相対的に細く見せるペチコートに代わって、クジラの髭を使ったコルセットの登場は、世の女性たちに熱狂を持って支持されました。しかし、ファッションの変遷に伴い装着に時間の掛かるコルセットは衰退していき、現在では毎日装着するような装身具ではなくなっています。

医療用装具としてのコルセット

現在のコルセットは、女性用の装身具であると同時に医療用装具としての役目を持っています。コルセットの装着の適用となる病気には、腰痛の原因となる椎間板ヘルニアや脊椎分離症などの腰の病気があります。これらの病気は腰の安静を必要とするため、支柱が組み込まれているコルセットによる支持を行なうことで症状の緩和や治癒の促進などの効果を得られるのです。

腰痛ベルトとの違い

腰痛用のコルセットは腰痛を引き起こす腰の病気に効果がありますが、医療用装具のため市販されておらず医師の診断の元でしか使用が許可されないという難点を抱えています。 そのため、病気を原因としない腰痛を緩和するために使用されるのが腰痛ベルトです。腰痛ベルトは、腰痛用コルセットと違って市販品として流通しています。また、ゴムなどの柔軟性と強度を備えた素材で作られているため、腰痛用コルセットの代用としても使えます。
しかし、腰痛ベルトはあくまでも「腰痛を緩和させるための器具」でしかなく、「治癒を促すための医療用装具」である腰痛用コルセットとは別のものであることを充分に理解しておく必要があるといえます。

コルセットの要点

腰痛のためにコルセットを装着する場合、幾つか注意しておかなければならないことがあります。注意すべき点を把握しておけば、コルセットは腰痛治癒に大きな力を発揮する道具となるのです。

保険適用

腰痛用コルセットは、装身具としてのコルセットや腰痛ベルトよりも価格が高めに設定されています。しかし、医療用装具として認められているため購入時に健康保険が適用されるというメリットがあります。

装着期間

腰痛用コルセットや腰痛ベルトは腹筋や背筋の筋力を補助する働きを持っていますが、長期間装着していると逆に腹筋や背筋の筋力が低下してしまいます。最大で3ヶ月間は装着し続けていても筋力が低下しないことがわかっていますが、長期に渡って装着する必要がある場合は医師と相談して指導を受ける必要があります。

装着位置

腰痛用コルセットは、装身具としてのコルセットよりも低い位置で装着する必要があります。装身具としてのコルセットが腹回りを引き締めるためのものであるのに対して、腰痛用コルセットは腹周りの下にある腰を支えるためのものだからです。また、腰痛用コルセットを装着する時は血流を阻害しないように締めなければなりません。

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