【椎間板ヘルニア】

脳と繋がる主要な神経が通り、身体を支えている背骨は非常に重要な器官の一つといえます。
しかし、背骨の組織の一部である椎間板には背骨の働きを阻害する病気が起こることがあります。
椎間板が飛び出てしまう椎間板ヘルニアは、どのような原因で発生し腰痛などの症状を引き起こすのかを解説していきます。

椎間板ヘルニアと腰痛

椎間板ヘルニアは、背骨を構成する脊椎や腰椎に発生する背骨特有の病気です。腰痛の原因の一つであると同時に、神経に影響を及ぼすことも少なくないのが特徴です。

仕組み

脊椎や腰椎からなる背骨は、円柱状の椎骨が彎曲した背骨にぶら下がるように連結した形になっています。椎骨と椎骨の間には、ハンバーガー状に柔らかい組織と固い組織が組み合わさった「椎間板」という組織が挟まっており、骨と骨のクッションとしての役目を果たしています。椎間板ヘルニアは、椎間板が本来の位置から背中側に飛び出すことで神経や組織を圧迫することで発生するのです。

症状

腰椎に起こる椎間板ヘルニアの主な症状に腰痛があります。この腰痛は、椎間板が飛び出した痛みや組織の圧迫が原因となって起こっているものです。椎間板が神経を圧迫すると足の筋力の低下や痺れが起こることがあります。症状が重い場合は排尿障害を引き起こし腎臓に障害が現れる場合もあります。
これらの症状は椎間板が飛び出る方向などによって変化するため、検査なしで診断することが難しくなっています。

原因

椎間板ヘルニアの発症原因には、「腰痛を引き起こすような極度の負担がかかる行動」や「老化現象」などが挙げられます。椎間板は強い負荷が掛かると、饅頭を押しつぶしたように内部の髄核が飛び出してしまうことがあります。また、椎間板や骨は20歳を過ぎる頃から老化が始まるため、椎骨が磨り減って椎間板を飛び出しやすくしてしまうことがあるのです。
最近の研究では、椎間板ヘルニアの発生には遺伝子が関与していることがわかっています。

診断

椎間板ヘルニアの診断には、CTスキャンやMRI検査が必須になります。一般的なX線検査では椎間板の脱出を視認しにくいという弱点があるからです。特にMRI検査は、椎間板による脊椎の圧迫を確認するためには最適の方法であるといえます。

治療

椎間板ヘルニアは、積極的な治療を行なわなくても数ヶ月で自然治癒してしまう病気です。しかし、神経に影響することがあるため症状によっては手術を含む積極的な治療が必要な病気でもあるのです。

保存療法

椎間板ヘルニアに対する保存療法は、自然治癒を促す目的で行われます。治療の内容としては、コルセットを当てて患部の負担を和らげたり神経ブロック麻酔で痛みを感じにくくしたりする手法がとられます。

牽引療法

牽引療法は、骨盤を引っ張ることで椎骨間の隙間を広げヘルニアの進行を抑える治療法です。保存療法で効果が上がらない場合などに行なわれます。

手術

ヘルニアによって神経が圧迫されるなど早急に対応が必要な場合、手術が行なわれます。最近主流になっているのは、高出力レーザーを髄核に照射して脱出した髄核を縮小する「経皮的レーザー椎間板減圧術」や、脱出したヘルニアを切除・摘出する「ラブ法」があります。最近は内視鏡による外科手術も行なわれ、患者の負担は年々小さくなっています。

上へ戻る